ぞくぞくするよ
私、長野県の松本市にて高校時代を過ごしました。
中学の時に網膜剥離になってしまいスポーツ馬鹿を無理やり卒業させられてしまいましたので
高校時代の放課後は、バイト、バイト、バイトの毎日でした。
そのおかげで、高校時代が現在まで46年間生きてきた中で一番おこずかいが多い時期でして
私はそのお金を、本当は高校生が使っては駄目なことに少々&洋服に掛けておりました。
洋服に関しては、松本城近くの女鳥羽川沿いにMOONという名のインポートショップがありまして
そこの一押しブランドが、最近破産宣告をしましたマリテ&フランソワジルボーのデザインする
「CLOSED」というブランドでした。
もうその頃は、イタリアで作られている服というだけでノックアウト状態のうえに
もう訳が分からないカッティングで立体を作り出す魔法のような服に虜になっていました。
でも、毎月買えてたわけではありませんよ、田舎のバイト代なんて毎日働いていてもたかがしれてます。
そんなある日、バイト代を抱えてMOONに行くと、CLOSEDの革ジャンがあるじゃないですか。
それはもちろんイタリアメイド。
しかし高校生の私にも分かるくらい縫製は雑でした。
ファスナー下の長さも左右で違いましたしね。
でも、凄かったんです。その革ジャン。
牛革をストーンウォッシュ加工してあったんです。
裏地も破れかけてるくらい
しかも、お値段たしか32万だった記憶が・・・・
もう、これだけ酷い革ジャンを32万で販売する強引なブランドに私はノックアウトでした。
一度だけ袖を通させていただきましたが、「イタリアの風を感じる」なんて思ったんだろうなぁ高校生だし。
話が長くなって申し訳ありません。
その時から私のなかに「30万の革ジャン」というハードルが出来ました。
もちろん作る事なんてこれっぽっちも考えていませんでしたよ。
「30万の革ジャンいつか手に入れてやる!」 です。
それがね、結局革ジャンを作り出す原動力になって今があるから私の高校時代も無駄で無かったと。
さて、写真のROADMASTERですが、このセットでほぼ30万です。
パデッドとサイズオーダーをすれば簡単に30万は越えますが、規定サイズ&仕様でのお値段です。
その値段を出したときになんだか高校時代を思い出し今回書いてしまいました。
革は、一人の職人さんの手で染められています。
ジャケットは私が一人で縫い上げてます。
このコラボに私はやられてしまっている訳です。
長かったですね、すみません今はそんな状態じゃないのですが、出荷してしまうので身近に置いて書きたかったのです。
ちなみにブラックレザージャケットを、おろそかにしている訳じゃありませんからね。
それが柱にあるからこそですから。
FourSpeed 須山哲也
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