fourspeedのブログ

埼玉県川口市で独りレザージャケットを作り続けています。

其の二 ポリスマンジャケット

革ジャンは何はともわれポリスマンジャケットだと思う
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自分は基本的に、スーツを仕立てるテイラーに憧れを持っていて
「金持ちになってサビルローで背広を作った」とおっさん駄洒落を言うのが夢であった
あくまでも作ってもらうという夢ですよ。
それは、男前に仕上げる為に物凄いアイディアと技術を要する芸術である、と思ってるから。
そんな形である服に対する憧れを持っていたので
あくまでも仕事着が基本であるアメリカンカジュアルに深い関心を示す事は無かった
(嫌いという意味じゃ無いです、作りこむということにね)

で、何を言いたいかというと、そんな考えをすっかり変えてくれたきっかけが
ポリスマンジャケットなんです。
fourspeedの行き先を模索していた7年ほど前に、目の前に現れた1着のダブルポリスマンジャケット

作りを知る為に糸を解きました。たぶん40年~50年の時間を過ごしてきた形を滅茶苦茶にしたんですね。
もうバラバラ。あ~あ、綿糸だから直ぐ解ける。

で、火が付きました「ボッ!」って、
だって、凄いんですものその作り。パターンはもとより仕立てもね
もちろん、総てを理解していた訳では無く
これは、どういう意味を持つんだろう?と不思議に思う所ももいろいろありました。

そして、その解体した革から型紙を想像しました。
皆さん誤解している所がありまして、解体したら型紙取れるだろうと思ってる方が沢山います。
でも、本当はその解体した物を元に自分の想像力を駆使して型紙を作ります。
「簡単な話、1着目の前に置かれて作っているのと変わりません。
絵を見せられて描くよりはマシかなくらいです
だから、完コピーなんてありえません。あなたに私の考えが100%分かる訳が無いのと一緒です。

話を元に戻して
型紙を作り、その型紙を元に一度試作をします。
そして、その試作を元に自分たちのアレンジを組み入れて作ったのが「CWJ-01V」
2000年から作り続けてきたポリスマンの品番です。
6年間作り続けてきました
そして、いろいろなオーダーや意見を頂きました。
その間のオーダーや意見が自分の中に蓄積され、肥やしとなり、その肥やしは
不思議に思っていた事の答えを導いてくれたり、
気がついていなかった事に気づかせてくれました。

そして、
「作り直そう」
と決めたのが2005年の年末です。
2006年にフルモデルチェンジ更に今年はマイナーチェンジをしました。

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では、どこをどう変えたのか書いていきます。
まず、初期のポリスマンは「古き良き時代を受け継ぐ」という事をコンセプトに
作られています。
その昔。アメリカの警官の方たちにバイク用のウェアーの支給は無かったそうで、
各自が行きつけのテイラーに作ってもらったんだそうで
それが、ポリスの形の基本を作ったんでは無いかと考えます。
とにかく、前から見ると立派に作られています。
胸から肩のラインを長めにとり大胸筋を強調します。
そして、袖はスーツのように肩のラインがきれいに見えるようになっていて、スポーツウェアーに見られるような遊びが少ないのです。運動量がその当時ホントに必要だと思われてたであろうという分しか無いんです。

当時のバイクを考えるとそれで全く問題はありません。
真っ直ぐ座って、軽く手を前に出した姿勢がライディングポジションですから。

でも、その形を現在のライディングポジションに当てはめるとどうでしょう

胸を強調する為、前に手を伸ばすスタイルをとると胸に革があまります。そしてその分背中が引っ張られ
必要以上に後裾が上がってしまいます。

それを解消する為、前を小さく後を大きくしました(当社比)
前の身頃は胸部を狭く縦幅も短くし、後身頃を広く長く取っています。
その為座って前に袖を上げた際に丸くなる身体をそのままサポートします。
そして、脇下にはアクションプリーツを付け更に運動性を向上させました。

でも、雰囲気はそんなに変わって無いですよ。
言わなきゃ分からない人もいましたもの。

ムートンの付け方も変更しました。
今までの形では、外した際ドットボタンがそのまま見えている仕様でしたが
これを外した際はドットボタンが見えない位置に配置しました。
(これは、好き嫌いが別れてますね、でも私はこれがいい!)

そして、今年から革ジャン用のベルトも出しますので (これも後少々お待ちください)
ベルトループをフロントに2本後に3本標準装備にします。
嫌な人はベルトループ無しでと注文ください。

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内ポケは裏地から見返し部分に場所を変更しました。
これは、裏地へのストレスを無くす為です。どう考えても革の方が強いですから。

現在、試着できるサンプルはSIZE40です。

他のサイズは、まずは他のモデルで試着ください。
どのモデルもサイズ感は同じです(嫌一型だけ違うのあった、これはそのモデルの説明の際)

牛渋なめし革 品番:WJ-0701CV ¥157500.-(ブラック、チョコ、アイボリー)
馬渋なめし革 品番:WJ-0701HV ¥178500.-(ブラック)

オプション:ムートン付け衿(金茶)¥21000.-
     
SIZE展開:34.36.38.40.42.44

サイズオーダー:¥21000.-~

fourspeed leathers 須山 

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