fourspeedのブログ

埼玉県川口市で独りレザージャケットを作り続けています。

其の三 デュラベルタイプレザージャケット

革ジャンといえばポリスマンと並んでこの形を思い出す人が多いでしょう。
私も、初めての革ジャンはこんな形、しかも赤い革の物でした。
そして、数年後、その革ジャンはVWのミィーティングで売れました、とさ。
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とにかく、この形。飛び跳ねる系の音楽が好きな方にもお馴染みです。
更に、コストパフォーマンスから言えば、それに並べられる物は無いショットもこの形が有名です。

で、どこが最初にこの形を作ったのか。というのは分からないそうです。
50年代にすでにショットもそしてfourspeedが教科書として見せていただいたデュラベルもこの形で
存在していたそうです。

ここで、話はそれますが50年代のショットのジャケットの脇下に三角形の切り替えがあります。
あれは、何の意味があるのか知ってる方がいたら教えてください。
わざわざ、大変な作りをしています。必ず意味があるはずです。

そして、あまり皆さんも聞いた事が無いかも知れないデュラベルですが、ブランドの名前です。
もう消滅してしまっているブランドで詳細がなかなか分からないんだそうで・・・、
でも、面白いんです。何着かこの形の物を見ましたが
同じ人が型紙ひいて、同じ人達が工場で縫っていたとはとてもじゃないが考えられない
というくらいどれも作りがぜんぜん違う。

デザインだけ、紙にサラサラって書いて、その紙を元にいろんな人が型紙かいて
いろんなところで作っているとしか思えないんです。あまりにも仕様が違います。

そんな、ミステリアスな所も災いして、マーロンブランドの「乱暴者」のファンは
物凄くマニア心をくすぐられていたりします。
今ではショットではなくデュラベルであるというのは有名な話です。

さて、ポケットのバランスも、ベルトも衿もなんともいえないバランスでデザインされているこのジャケット。とにかく、全体どこをみても良いバランスで作られてます。
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もちろん、この形も今シーズンは型紙をひき直してます。
昨年までは、現存していたジャケットを元に考えていたのですが、
今シーズンは、元々バランスも良く、動きやすい形に作られていましたのが
「俺ならここをこうするな」
と言うところを、あちこち書き直しています。
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この形を作り始めてその大切さが分かったのですが
このシルエットを作る為に、前の身頃と後の身頃の間に一枚のパネル(切り替えてあるんです)が入ってます。
このパネルがこのシルエットを出しこの着やすさを感じる事ができる要となっています。
これが、無ければこの立体感は出ません!

本当はこの形に背中のヨーク切り替えを付けて背中の丸みを作ってあげれば更に着やすく
なるのですが、まあ、そこはオリジナルデザインのイメージが強いので無しにしましょう。

外からみて気が付く変更点は裾のライン、ベルトの長さと作り方、
そして袖口のZIP2cmUP(当社比)
その他、誰にも分からないと思うけど自分が満足する為に書き直した所、多数あり。

そうそう、どのモデルも書き直した事により
10年着込んだ際に差が出るのではなかろうか(たぶん)という事もしてます。

表側に使える大きさのポケットが沢山ありますので、内ポケはありません。
そうそう、革ジャンや革パンの形を崩したくなければ基本的にポケット使うのは辞めましょう。

着易く、でもかっこ良く。のバランスを簡単にクリアーしています。

いったいどんな人たちが作っていたんでしょう
だって、デュラベルのジャケットを単純にアメリカ人が作ったとは思えなかったりします。
ポリスとか、例えばBUCOの古着とか見てみると
「あ~欧米人が作っているよね~」と思える形なんです、肩とか胸とか
でも、デュラベルは東洋人の骨格にも充分対応できる形なんですよ
ちなみに私の見た範囲でのお話ですよ、あくまでも。

なんか、そんな所もマニアの心をとらえちゃうんでしょう、
そして、誰にもスタンダードだけど古さを感じさせない形に見えるのでしょう

ちなみに、写真のサンプルは馬革です。サイズは38
馬の皺はなんとも言えないんですよ。私はまだ、パンツしか履いてないけど。

牛渋なめし革  \147000.-(税込)

馬渋なめし革  \168000.-(税込)

オプション:ムートン付け衿(本物ですよフェイクじゃありません)金茶 \21000.-

fourspeed leathers 須山 

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