fourspeedのブログ

埼玉県川口市で独りレザージャケットを作り続けています。

たまらない一着出来ました

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革:馬革 渋なめし ブラック&ナチュラル (ナチュラルは、在庫無しのためご現在注文受けられません)
裏地:身頃/綿スウェード臙脂 袖/綿ツイル赤
ボタン:真鍮
スタッズ:ニッケル
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始まりは、以前FourSpeedから出ていたワークコートでした。
ハーフコートが作りたいとお客様からお話を頂いて打ち合わせること(たぶん)両手くらい。
「あ~だこ~だ」と、アイディアを出し合ってこの1着を作り上げました。

型紙引き始めても、「あ~だこ~だ」と確認させて頂き、まるっきり方向転換したり
いろいろ考え直したり
大変楽しく準備は進みました。

でもね、実はお客様に提案すればするほど自分の首を絞めるのです。
頭の中では「出来るな!」と思っても、型紙に引けなかったり
型紙引いても、製作手順を頭に浮かべる事が出来なかったり
実際、最後はミシンが入らなくて一部手縫いにしたり
そんな感じで1着は出来上がるのです。

さて、ちょっと詳しく説明します。
イメージ 8衿は、弊社のポリスマンの衿を元にして書き直しております。
前のあわせは、お客様の要望を頭に入れつつオリジナルな線を引いてます。
これってけっこう重要です。
あわせの首側の所は折りかえって下衿になりますよね、
だから、実を言いますと(ここだけの話しですよ)いちかばちかなんですよ。
もちろんある程度は予想してますよ。でも全体とのバランスは出来上がってみないと分からないじゃないですか。
だから、本来定番物はサンプルを作って確認するんです。
でも、お客様からのご注文商品を一回作って確認するなんて出来る訳無いじゃないですか。
「じゃあ、100万円で!」
なんて偉そうに言えるブランドなら別ですけどね。
まあそういう訳で結果、自分的にベストな衿が出来ました。
折り返しとか浮き具合とか私にはたまらないモノがあります。
ボタンもね、見え方がたまらないんです。ドットボタンだからこそのバランスが出来ました。
ここだけでも大満足お腹一杯、魚にして酒が飲めます(弱いけど)
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お腹のポケットですね。
ここは、総てと言っていいほどご注文通りですね。
フラップの形と大きさと仕様、玉渕の仕様から大きさ、スタッズのセレクトと位置。
私は、ポケットの取り付け位置を決めただけ。
実は、作り方も一部変えてみたりしてます(私にしか分からないところ)。
こちらも大満足でございます。
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大変だった袖口ですね。
普通に「何処が?」と思うでしょ。
そう思えるように仕上げる事が出来たことに大満足しております。
でも、
「本当はもっと簡単な方法があったんだろうなぁ。」
と、反省もしております。
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後ですね。
衿の形が後姿もお気に入りです。
パイピングもどれも上手くいきました。
でもこのパイピングも実は思い通りに行かない所がありました。
「大丈夫、大丈夫!」
なんて偉そうに思っていましたが、
突然現われる壁を、おそるおそる突き破らないと進めない箇所がございました。
革の硬さや、型紙の角度なんかで縫えなかったりすることがあるという事が分かり、とってもいい勉強になりました。
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体を入れて頂くとこうなります。
スタッズも少数精鋭でいぶし銀の働きをしてくれています。
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出来てみればお客様が最初にお持ちになった、「こんな風にしたい」という絵型の通りに。

それにしてもやっぱり革ジャンを作り上げるのは楽しくて仕方ありませんね。
あぁ、コレは革ジャケットもしくは革ハーフコートですね、
革には、布には無い魅力が沢山ありますが、駄目な点もあります。
でも使いようによってその駄目な所でさえ魅力に変わったりするのでやっぱりたまりません。

さぁて、今から引越し準備を始めます。
移転後の最初の一着もかなりおもしろい一着になる予定です。

皆様も、ご自分のコレが欲しい是非私にぶつけてください。
私は、それを餌にしてとどまる事なく成長させてもらおうじゃないですか。

モチロン!
フルオーダーじゃ無くて、私のデザインしたそのままでご注文頂いた方がどちらかというとOK!のような気がしないでも無いのは確かな気もします。

FourSpeed LEATHERS 須山哲也

http://www.4speed.co.jp/